今回は「ウッテガエシ」という、石を取る技を見ていきましょう。
「着手禁止点」というルールの確認にもなりますので、9路盤をお持ちの場合は、是非碁盤に碁石を並べながら見ていってください!
ウッテガエシとは?
ウッテガエシとは、相手に自分の石を取らせる「捨石」を使って、最終的に相手の石を取ってしまう「手筋」の一つです。
さっそく、実際に見ていきましょう。
このような状況があったとします。
黒番で、中央にいる白二子を取りたいです。
どこに打ちますか?
最初に考えるのが、黒1です。
黒石同士をつなげながら、白×をアタリにしていますね。
しかし、次の白番で、
白2とつながれてしまいます。
ここに打たれると、全体の白がつながって…
このように逃げ道が多くなり、黒は白を取れなくなってしまうのです。
ということですので、
冒頭の図に戻って、黒が白×の二子を取りたいと思ったら、
白×と白△をつながらせないようにする必要があるのです。
このように考えると、
正解は…
黒1です◎
「白×と白△がつながっていかないように」というイメージで打ってみましょう。
ただ、
よく見ると、黒1もアタリになっていますね。
次の白番で、白2と打たれると黒一子が取られてしまいます。
こういう状況になりますね。
黒は失敗してしまったのでしょうか?
いいえ、大丈夫です。
白を取るために順調に進んでいます。
次は黒の番ですね。
上の図をよくよく見ると…
白×の三子がアタリになっているのです!
気が付きましたか?
黒3と打つ事で、白×を取る事ができます◎
こういう状況になるのですね。
これが、「ウッテガエシ」という石の取り方です。
もう一度、流れを復習しておきましょう。
この状況で黒番。白×を取りたいと思いました。
白同士をつながらせないように、という気持ちで黒1が好手です◎
白2と打たれると、黒一子は取られてしまいますが、
次の黒番で…
黒3と打ち、白三子を取る事ができるのです。
OKでしょうか。
是非、碁盤に並べて確認してみて下さいね。
着手禁止点の話
さて、今見ていただいた攻防の中で、少し違和感のあるやりとりがありました。
最後の黒3です。
黒3は、道が一本もない場所なので本来は「置いてはいけない場所」です。
しかし今回は「白×を取れるから打ってOK」という例外が適用されて打つ事ができるのです。
ちょっとややこしい話ですが、とても大事なところですのでゆっくり解説していきますね。
少し図を変えました。
この図では、白がアタリになっていません。
なので、
黒1と打つ事はできません。
逃げ道がない場所には、原則として打ってはいけないルールなのです。
もう取られてしまっている状態で、処理のしようがないからですね。
ただし、「相手の石を取れる時には打って良い」というのがルールの例外になります。
今回のウッテガエシは、このルールの例外にあたるのです。
この状況で、
白三子がアタリであることを確認して、
黒1と打って、白を取るのはOKなのです。
こういう状況になるのですね。
OKでしょうか。
「道のないところに置いてはいけないが、相手の石を取れる時には、打って相手の石を取る事ができる」
ということになります。
まとめ
・ウッテガエシとは、自分の石を取らせて、最終的に相手の石を取る手筋のこと。
・着手禁止点というものがあり、それは「道のないところに打ってはいけない」というルール。
・着手禁止点には例外があって、「相手の石を取れるときには打っても良い」というルール。
黒1と打ち、
白2と取った場面も、「着手禁止点の例外」が適用されています。
是非、碁盤に碁石を並べて確認してみて下さい!
最後に黒3と打って「ウッテガエシ」の完成ですね。
ウッテガエシの練習問題
ウッテガエシの練習問題①
https://s-yosuke.com/uttegaeshi-1.pdf
練習問題①の解答
https://s-yosuke.com/uttegaeshi-1-kaitou.pdf
ウッテガエシの練習問題②
https://s-yosuke.com/uttegaeshi-2.pdf
練習問題②の解答
https://s-yosuke.com/uttegaeshi-2-kaitou.pdf
URLをクリックすると、PDFファイルが開きます。(引用元:【囲碁の練習問題】習うより慣れる!初級手筋・死活問題をプレゼント)
では、読んで下さりありがとうございました!
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【秀哉の囲碁入門⑩】一局の流れ(2)前編