こんにちは!
月曜級位者教室担当の俵です。
今回は、教室内で登場した「ユルミシチョウ」について解説していきます。
ユルミシチョウが分かると、守るべき断点かどうかの判断の精度が上がりますし、今回の記事を読むだけでも「攻め合い」に対する考え方がよく分かってきます。
是非、ゆっくり見ていって下さいね。
ユルミシチョウとは?
「ユルミシチョウ」という言葉。皆さん聞き覚えはありますか。
「シチョウ」であれば馴染み深いかもしれません。
でも、実はユルミシチョウとシチョウは全くの別物なのです!
シチョウとは
△を黒1からアタリの連続技で、階段状に追いかけて取る手筋が「シチョウ」です。
「両アタリ」や「ゲタ」と共に、囲碁を始めた時に覚えた方も多いかと思います。シチョウで取れると嬉しくなりますね!
このようにアタリが続いて、隅に追い込んで取るという動きがシチョウですね。
それでは、「ユルミシチョウ」とはどういった形なのかということを具体例を見ながら学んでいきましょう。
ユルミシチョウの具体例
シチョウとは違い、緩んでいるので(笑)アタリの連続技にはなりません。
そのため、相手のダメが空いている状態で追いかけて、追い詰めていくことになります。
アタリで追い詰めるシチョウに対して、ユルミシチョウは「アタリではないけれど、隅に追い詰めて相手の石を取る」という手筋なのです。
例題を挙げてみましょう。
是非、シチョウとは違うのだなあ、ということを確かめながら並べてみて下さい。
上の図で白1に打たれると、Aの傷が怖いですね。
しかし、白からAに切られても「ユルミシチョウ」で取ることができます!
少しずつ見ていきましょう。
白1の切りに、黒2からアタリにするのは、白3で▲を取られてしまいます。
それでは・・・
まずは、黒2とアテて▲を強くします。
ただ、白3と出られるととても怖いですね。次の一手がとても肝心です!
ここで黒4と守るのは、白5、7で▲が取られてしまいます。黒4で6も同様に、白5、7で▲が取られます。黒はもう一踏ん張りが必要です!
黒4で▲をもう一度強くするのが好手。白5には黒6とオサえます。段々と結末が見えてきました!
白7から逃げられても、黒8から12までで、白を無事取ることができました。
いかがでしたか?
シチョウとは違い、一直線ではないので、少し難しく感じるかもしれません。しかし、ユルミシチョウをマスターすれば、
①不要な守りを省ける
②相手の無理を咎めることができる。
といった大きな利点が生まれます。棋力アップ間違いなしです!
ユルミシチョウの例外
ただ、一歩間違うと、自分が崩壊してしまうので注意も必要です。
上の図は、先ほどの図から△を一路右に動かしただけですが、これだとユルミシチョウ」が成立しません。
白1の切りに、黒2、4と追いかけたときに、白5で▲が取られてしまうからです。「ユルミシチョウ」を狙う際には、自分の石がアタリで取られないことを確かめておく必要もありますね。
月曜級位者教室で出てきた「ユルミシチョウ」の形を動画にまとめてみました。ご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。
月曜級位者教室とは?
月曜級位者教室は、毎週月曜の10時から12時に開催しています。二桁級の方から初段近い方まで、幅広い棋力の方にご参加いただいており、和気藹々と楽しみながら棋力アップを目指しています!
教室で使用している教材です。まずは詰碁を解いていただき、詳しく解説。
その後は、よく実戦で出てくる形やテーマの棋譜を解説しながら、皆さんの質問にお答えします。
講義の風景を載せて、講師の二人をご紹介します!
荒川マネージャー
秀裁のボスです(笑)黄色いエプロンを着ていて、とても優しそうですね。
本当にとっても優しいので、何でも質問してくださいね!
俵インストラクター
月曜級位者教室の他にも、金曜初級教室を担当しています。上から下まで真っ黒の姿ですが、心は優しいはずです(笑)
何でも質問してください!
まとめ
まとめますと、
①ユルミシチョウとは・・・相手のダメが空いていても、追い詰めて取ることができる。マスターすれば、守りを省けたり、相手の無理を咎めることができ、大きな利点がある。
②月曜教室では・・・ユルミシチョウに限らず、実戦で役立つ形を数多く紹介している。手筋だけではなく、棋譜からも大局観を身につけることができる。
また定期的にご紹介していきます。今後ともよろしくお願いいたします。