こんにちは!月曜級位者教室担当の俵です。
今回は、小目の「ツケヒキ定石」の詳しい変化と、場合の「ナダレ」ていく変化をご紹介します。
ツケヒキ定石は知っているよ!という方も、詳しい変化図もありますので、ぜひご一読ください。
ツケ引き定石
まずはツケヒキ定石の完成図から。白1から7までが「ツケヒキ定石」です。詳しい意図や変化を見ていきましょう。
ツケヒキ定石は、白1のカカリに黒2とツケる手順から始まります。黒は隅の陣地を確保したい!といった意図ですね。
続いて、白3から7までと進み、黒は隅の陣地、白は下辺の陣地と厚みを確保するワカレとなります。白7はAでもよいですね。
互角のワカレで、トッププロの対局でも打たれる場面が多々あります。とてもわかりやすくおススメです!
それでは、変化図を見ていきます。
ハネ出しは無理
黒2に白3とハネ出されたらどう対応しますか。白3は少しやり過ぎで咎めてあげたい場面です!
続いて、黒4とノビてしまうのは、白5のツギが強烈です。黒だけが分断されて、これは一気に黒が苦しくなりました。黒4では・・・
こちらに黒4と切るのが好手です。白5、7と追いかけられても、黒8で白を取ることができます。もし白7で・・・
こちらに白7と追いかけられも、黒8で白が困ります。白が黒を取るには白9とツメるよりないですが、黒10で白がバラバラです。白のハネ出しは怖くないところなのでした!
ハサミは怖くない
それでは、もし黒がAとヒラかずに、黒6とハサんできたら白はどうしましょう。白が弱気だと・・・
白が弱気に7と逃げれば、黒8と地を稼がれてしまいます。また、根拠を得ようと、白9とヒラくのも、狭すぎてツラい格好です。
白は黒が守らなかった▲に圧力をかけたいところ。となれば・・・
白7とツケて▲にアタックします!続いて・・・
黒は8とハネるぐらいです。白は9と黒10を交換して、白11、13とノビます。白が手厚く、▲も弱くなるので、白に不満がないワカレです!
そのため、▲のハサミはあまり打たれません。
なお、黒8で、
このように黒8とハネ出されても怖くありません。白9の切りが強烈で黒が困っています。黒Aには白Bで黒8をカカえられますし、黒Cには白Aで▲を召し取ることができます!
ということから、初めにご紹介した、ツケヒキ定石の基本形が打たれることが多いところなのです。
応用編~ナダレとは
黒2のツケには白3、5と打つ手段もあります。白が雪雪崩のように左辺に降りていくので、ナダレと呼ばれています。ツケヒキ定石よりも出てくる頻度は高くありません。
しかし、下辺の価値よりも、左辺の価値が高いときに打たれることがしばしばあります。
例を上げると・・・
このような場面で、黒2とツケられたときに、白3からオサえるのは、白が楽しくありません。白5とツイだあとに白がヒラけないので、白7と逃げるくらいですが、白の根拠がなく、あまり得たものがないからです。
ここでは、白3、5と左辺にナダレ込み、白9まで左辺を構えるのがオススメ!左辺の白模様が大きくなり、前図よりはるかに勝ります。
ツケヒキ定石では面白くないな、と思った際にはぜひお試しください。
なお、白6に対して、黒はAの傷を守らずに、黒BやCと打ち、小ナダレ・大ナダレといった、大型定石の変化になることもあります。
ただ、あまり出てくる頻度は高くないですし、とても難しい変化で、私も自信がありません(笑)図が100個あっても足りないと思うので、ここでは割愛させていただきます。また別の機会に・・・
ナダレの動画(発展形)
ナダレの変化図を動画にもまとめてみました。
下記よりご覧いただければ幸いです。
まとめ
まとめますと、
①ツケヒキ定石は、両者が満足できて簡明。オススメの定石!
②ツケヒキ定石が不満な場合は、ナダレていくことを考えると視野が広がる!
また役に立つ形を定期的にご紹介していきます。
ありがとうございました!