こんにちは!月曜級位者教室担当の俵です。
今回は、カカリに受けてスベられたときに、ハサむ手を紹介します。
下の図のような際ですね。
白3のスベリに、
黒4と受ければ、白5のヒラキとなり、黒白共に安定して簡明な定石になります。囲碁を始めて間もないときにおぼえられた方も多いのではないでしょうか。
今回は黒4とハサむ手をご紹介します。選択肢が増えると、いろいろな作戦を立てやすく、囲碁がどんどん楽しくなると思います。ご存じない方は、ぜひこの機会に確認してみましょう!
ハサミは封鎖が目的
白3に黒4とハサむ目的は、白の封鎖にあります。白を封鎖して中央を手厚く打とうとしているのです。黒4に続いて
白は5と隅に入るのが基本です。黒が5に受けなかったので、白が5と逆に入り、隅の陣地を取ることになります。
それには、黒6が白7を強制する好手です。
続いて、
黒8とオサえて白を封鎖することができました。白9に黒10の守りも大切です。外側黒の厚みが素晴らしく感じませんか!
総図でおさらいしてみましょう。
白5と入られたときに、黒6で白7を強制するのがポイントです。それから黒8とオサえれば、黒がとても手厚い形になります。
これも定石ですが、黒が厚く、少し打ちやすいのではないかと思います。
オススメの定石です!
白が外に出てきたら
封鎖は嫌だ!となると、白は5と上に出てくるかもしれません。しかし、白5は良くないことが多いです。
何故かというと、
黒6に打たれると、△の根拠が乏しく、攻めの対象とされてしまいます。
続いて、
白7、9と逃げれば死ぬことはないですが、黒8、10と陣地を稼がれてしまいます。
白が中央に出ることはできましたが、白が得たものがあまりなくツラいですね。
そのため、黒4には白5と隅に入り、黒の厚み・白の実利のワカレになることが多いです。
ハサミがオススメの場面
この場面で、白3とスベられたとします。ここで
黒4と受けるのも悪くはないのですが、白に5と治まられると、今後の作戦を立てにくくなります。
右上付近は黒が多い場所なので、
黒4ハサむのがオススメです!白5で隅の地は取られますが、黒10まで手厚く封鎖できれば、▲が役に立ち、上辺を大きな黒模様にできます。
味方が多いときには、ハサむと有利に戦えることが多いです!
ハサミがよくない場面
この場面で白3とスベられたら、
黒4と受けて、白5と守らせるくらいが相場です。先手を取り、黒6などの大場に先行します。
ここで、
黒4とハサんで
白5と隅に入ってくれれば、黒10までの定石で、黒に不満はないのですが・・・
この場面では△の白の援軍が近くにいるため、白5と反撃される可能性が高いです。先ほどの説明では、
黒6で白がツラいと説明をしましたが、今回は状況が違います。
白が多いので、白7で、▲を取られてしまうでしょう。
そのため、
黒6とこちらを逃げるよりないですが、白7を利かされてから白9と隅に入られてしまうでしょう。
黒がハサんだ目的は封鎖することでしたが、白に外へ出られた挙句、隅にも入られてしまいました。
右辺の黒二子も攻めの標的にされそうで、これは黒がよくありません。
敵が多いときのハサミはやり過ぎになることが多いので気をつけましょう!
シチョウアタリを利用した対応(動画)
黒8に白9とハネ出す面白い対応もありオススメです!
続いて、
黒10、12となり、△はシチョウで取られてしまいます。白が取られるので部分的には損ですが、白はシチョウアタリを利用して、他で得をしようという意図です。
動画にまとめましたので、下記からぜひご覧いただければ幸いです!
まとめ
①カカリに受けてスベられたときに、ハサむ手も選択肢に入れる。
②スベリにハサむと封鎖できる可能性が高い。
③敵が多い場合のハサミは、やり過ぎになることがあるので気を付ける。
また役に立つ形を定期的にご紹介していきます。
ありがとうございました!