明けましておめでとうございます。
月曜級位者教室担当の俵です。今年もよろしくお願いいたします。
今回は、前回紹介した、ハサミに三々に入る定石の、その他の変化について解説します。よろしければ前回の記事から読んでいただくと、より理解が深まるかと思います!
前回の復習
黒2のハサミに白3と三々に入られたら、▲辺りに黒石がいれば、左辺を大切にするため、黒4からオサえるのがよいと前回ご紹介しました。黒8まで、左下の黒の厚みと▲の一子がマッチしています。
この定石は最も簡明なのですが、白7では変化される可能性もあります。
黒6に対しては、白Aとサガったり、白Bと押していく変化があります。相手に変化されたときに慌てないよう、できれば覚えておきたいところです。
まずは白Aの変化から見ていきましょう。
サガリを打たれたら
黒6に白7のサガリは、白aのサガリと同様、白の傷を守る重要な役割を果たしています。
例えば続いて、
黒1、3と出切られても、白4のツギで白に問題がありません。黒5にも白6で黒を取れています。黒3に白5と取るのは、黒4で△が切り離されるので気をつけましょう。
白のサガリに黒はどう対応するべきでしょうか。
白7に黒8とオサえるのは自然に見えますが、あまりオススメできません。白が9、11と威張ってはみ出してくるからです。
続いて、
黒は勢い12と切ることになりますが、ここで白13と戻るのが冷静な好手です。逆に黒からここを出られると白が危ないですし、Aの傷を狙いながら▲のダメをツメています。続いて、黒はAの傷を守るために黒14くらいですが、白15にノビられると、下辺黒が弱く、白を封じ込めることができませんでした。少し黒が不満な進行となります。
黒の対策は、
白7のサガリには、黒8と押して封鎖するのがオススメです。白は9とサガるのが好形で、白9で
このように白9とブツかるのは、基本的には筋がよくない打ち方です。自ら二目の頭を叩かれにいっており、黒14まで黒が固まってしまいます。白9のような打ち方が最近流行ってはいますが、それほど気にしなくてもよいと思います!
そのため、白7のサガリには黒8と押し、白9のサガリまでが定型です。ここで黒はCと手厚く構えるか、Dとオサえて地を頑張るかの選択になります。
Cの黒10と構えるのが簡明でありオススメです。白11のマガリは大きく、白に地は稼がれますが、黒12とトビ、黒の厚みも中々のものです。
黒12ではaとオサえるのは・・・
白11に黒12とオサえるのが自然に見えますが、後々、白bのハサミツケや白cのノゾキがとても気持ち悪くなります。左辺はこのまま黒地とはいえません。
このような箇所は、他の場面でも多々でてきますが、
このように黒12とトビで受けるのが勝ります。
また、全局的に見れば、
白11に黒12と手を抜く選択も考えられます。白15と左辺には侵入されますが、黒16で黒の厚みが壊れることはないためです。
どちらがよいということはないので、色々な作戦を試してみてください!これが囲碁の面白いところです。
Dの黒10とオサえるのは、左辺の地を大きくするのには役立ちますが、白11のハネ出しが嫌なところです。黒は12と切るよりないですが、白13とノビて戦いの始まりです。
続いて、
黒は14とコスんで下辺二子を補強するくらいですが、白にも15とコスまれるとどうでしょうか。白aの打ち込みや白bのハサミを狙われており、私はとても怖いです・・・
この進行も考えられますが、色々と考えることが多く、疲れてしまいそうです(笑)力自慢の方は試してみてください!
結論として、白7とサガられた場合は、黒8と押したあと、黒10と構えるのがオススメです。白11に左辺を大切にして打ちたい場合には黒12、全局的に大模様を張りたいのであれば、黒aなどと手を抜きましょう。
オシを打たれたら(動画)
黒6に白7と押す変化もあります。
こちらは動画にまとめましたので、下記よりぜひご覧いただければ幸いです!
まとめ
まとめますと
①黒6に白7とサガってくれれば、黒8で問題無く簡明。
②黒6に白7とサガられたら、黒8、10で黒の厚みを確実にするのがオススメ。白11には黒12とトビます。
③黒6に白7と押されたら、黒は捨石を活用して、黒18まで封鎖する。上の動画をぜひ見てみてください!
また役に立つ形を定期的にご紹介していきます。
ありがとうございました!