【秀哉の囲碁入門⑰】13路盤での一局の流れ

今回は「13路盤」で囲碁の打ち方を学んでいきましょう。

布石~終盤の打ち方と、整地の仕方も学べる1記事になっています。

是非、13路盤と碁石を用意して、手順を並べながら見ていってくださいね。

13路盤の序盤の打ち方

では、さっそく見ていきましょう。

13路盤の打ち方

これが「13路盤」ですね。

縦横の線の本数が13本ずつです。

9路盤よりも広いので、どこに打ったら良いのかが分かりづらくなるかもしれませんが、基本は同じです。

まずは、「隅」をお互いに占めていきましょう。(隅は効率よく陣地を囲めるのでしたね。)

ということで、

13路盤の打ち方

たとえば、黒1などが代表的な良い打ち方になります。

一手目のマナーについて
昔からの慣習で、隅を打つ場合「一手目は右上の隅から打つ」というマナーがあります。
相手に敬意を表すという意味になるのです。
囲碁の大事なマナーになりますので、しっかりと覚えておきましょう。

さて、このあとの打ち方は「自由」です。

13路盤の打ち方

白2~4とお互いに「星」を占め合ったとしましょう。(印のついている点を「星(ほし)」と言います。)

13路盤打ち方

勢力図はこんなイメージですね。

右辺が黒の勢力で、左辺が白の勢力になります。

では、次は黒番です。

右辺を守るように打ってみますね。

13路盤の打ち方

打ち方は色々あるのですが、例えば黒5が良い手です。

13路盤の打ち方

こんな感じで、上下の黒石をつなげて、右辺を囲っています。

何となくでOKですよ。囲碁はイメージが大事です。

次は白番ですね。

黒5と同じように、左辺の白地を守ってみましょう。

13路盤の打ち方

白6です。

13路盤の打ち方

このように、左辺を囲んでいますね。

OKでしょうか。

この調子で続きを見ていきましょう。

13路盤の打ち方

黒7などが良い手です。

この手は、

13路盤の打ち方

このように進んでいます。

右上の黒から発進して、左上の白地へ入ろうとしていますね。

なので、対する白は、例えば、

13路盤の打ち方

白8などがGoodです。(白8のことを「鉄柱(てっちゅう)」と言います。)

隅の陣地を守る良い手なのです。

13路盤の打ち方

黒の進行方向を止めつつ、隅の陣地を守っています。

陣地を大まかにイメージしてくれれば良いですからね。

では、

次の黒番で「上辺」を囲んでみます。

左右の黒石をつなげるように…

13路盤の打ち方

黒9が良い手です。

13路盤の打ち方

このようにつなげて、上辺の白地を囲んでいますね。

白は左上の陣地を囲み、黒は上辺を囲みました。

次の白番で「下辺」でも同じ動きをやってみましょう。

いきますね。

13路盤の打ち方

白10~12がお互いに良い石の動きです。

13路盤の打ち方

このように陣地を囲み合っています。

陣地を囲んだなあ、と思ったら全体をぐるっとみることが囲碁のコツです。

全体を見渡して、黒の勢力と白の勢力の境い目を見ます。

そうやって見ていくと、

13路盤の打ち方

このあたりが、どちらの陣地か分からない「境い目」になります。

序盤では、「隅」や「辺」を占め合って、

大まかに陣地を囲んだ後は「中央」を打っていくのが効率が良いと言われています。

13路盤の中盤の打ち方

中央の打ち方を見ていきましょう。

黒番で、中央に向かって進んでいきたいと思います。

13路盤の打ち方

例えば黒13です。

13路盤の打ち方

黒13は、一間トビで進みながら、黒の勢力(「黒模様」と言います。)を拡大しています。

13路盤の打ち方

そして、このように進む道が出ています。

対する白は、この黒の進行方向に応じるイメージで、

13路盤の打ち方

白14と打ってみます。

13路盤の打ち方

こういう風に味方と連携を取っています。

そうすることで、

13路盤の打ち方

黒15ときても、

13路盤の打ち方

黒の進む道を止めるイメージで、

13路盤の打ち方

白16と打ちます。

黒が入ってこないようにすることで、左辺の白の陣地を守っているのですね。

同じように、

13路盤の打ち方

黒17と進んできたら…

13路盤の打ち方

白18と打って、黒の進行方向を止めます。

13路盤の打ち方

白18は、陣地を守りつつ右辺の黒地へ進もうとしています。

なので、次の黒は、

13路盤の打ち方

黒19が良い手になります。

そしてまたこの手にも「次の狙い」があります。

どこだと思いますか?

黒19は次に…

13路盤の打ち方

黒△と打って、白×を「アタリ」にしようとしているのです。

このように、囲碁は「次の狙い」がある手が良い手になるのですね。

13路盤

ということで、対する白は20と打って「アタリ」をされないようにします

OKでしょうか。

ここまでの流れを、手の意味を意識しつつもう一度碁盤に並べてみて下さい。

13路盤の打ち方

黒1~白20ですね。

13路盤の終盤の打ち方

では、続きです。

黒地と白地の境目を意識して打っていきましょう。

13路盤の打ち方

【黒21~黒25】:お互いに陣地の境目を打っています。

13路盤の打ち方

こんな感じで、陣地の壁を作っていますね。

同じような考えで、

13路盤

白26などが良い手です。

この手は、

白の陣地を拡大しつつ、黒地へ進んで減らそうとしています。

黒も、自分の陣地を減らされるのは嫌ですから、

13路盤の打ち方

黒27と止めて、隅の黒地を守ります。

上辺でも白26、黒27と同じやり取りをしてみますね。

白28、黒29です。

白が黒地へ進もうとして、黒がそれを止めています。

意味をイメージしながら並べてみて下さいね。

このあとも「一連の動き」をご紹介します。

13路盤の打ち方

白30~黒33までの手順を碁盤に並べてみて下さい。

白30(ハネ):黒地へ進もうとする手

黒31(オサエ):白が黒地に入ってこないようにしつつ、白をアタリにする手

白32(ツナギ):取られないようにアタリから逃げる手(白30がアタリになっていることを要チェック!)

黒33(ツナギ):白にアタリをされないように守る手(この場所を白に打たれたら「アタリ」になることを確認しましょう。)

白30がハネで、白32がツナギという名前の手であることから、白30~32を「ハネツギ」と言います。

陣地の境目を打つ一連の手としてよく出てくるのです。

ということで、

下辺でも「ハネツギ」をしてみたいと思います。

13路盤の打ち方

白34、36が「ハネ」&「ツナギ」で「ハネツギ」です。

対する黒も、黒35、37としっかり防御して陣地を守っていますね。

全体を見ると、随分「境目」が決まってきました。

この調子で残りの境界線を決めていきます。

13路盤の打ち方

たとえば、白38~40です。

陣地の境目がお互いの石で埋まってきましたね。

下辺の境も埋めてみます。

13路盤の打ち方

たとえば黒41ですね。

この手は、黒と白の境目を打ちつつ、

13路盤の打ち方

次に黒Aに打とうとしています。

白×をアタリにして取ろうとしているのですね。

ということで、

黒41に対して白は、

13路盤の打ち方

白42とつなぐことになります。

取られないように、石をつなげて守っているのですね。

そして最後に、

13路盤の打ち方

黒43と打って、陣地の境目が全て埋まりました。

これで、打ちたい場所が無いという意味で、白が「パス」をし、黒も「パス」をしたら「終局になります。

お互いの陣地は、

13路盤の打ち方

このドットですね。

石で囲んだ交点の数を数えるのでした。(石が置いてある場所は数えません。

13路盤で陣地を数える「整地」

では、数えやすいように石を動かして計算してみましょう!

まずはちょっとした下準備として、

整地

黒×と白×を交換してみます。(石を取りかえても陣地の大きさは変わらないので大丈夫です。)

整地

こういう風に移動して、

整地

このようになります。

石が移動しただけで陣地に変化はありませんね。このように石を交換することで、整地がスムーズにできるようになります。

では、あらためて陣地を整えていきますね。

黒地からやっていきたいと思います。

整地

色々なやり方がありますが、今回は黒×を動かしてみます。

整地

このように移動すると良さそうですね。

整地

右下の黒地が5×4=20目になります。

今度は、

整地

黒×を、

整地

このように移動して、陣地を四角に整えます。

整地

6×7+1=43目ですね。

先ほどの20目と合計して、黒地は63目だということが分かりました。

では、

今度は白地をやっていきましょう。

白×を動かしてみますね。

左上の白地を40目にするように動かします。

整地

このように配置すると、

整地

左上の白地が、5×4=40目になりますね。

左下も、20目の陣地を目指して石を置いています。

最後の仕上げとして、

整地

白×を、

整地

このように動かせば完成です。

整地

左下は20目になり、残りが端数として3目です。

先ほどの40目と合わせると、白地は63目だということが分かりました。

そして、白はあとから打つ分「6目半(コミ)」がプラスされます

なので、白地は69目半になります。

黒地は63目でしたから、白の6目半勝ちという結果になるのですね。

陣地の数え方はOKでしょうか。

まとめ

最後に、今回の手順をまとめて載せておきますね。

【黒1~白20】

13路盤の棋譜

隅、辺、中央の順番で打っていき、

【黒21~黒43】

13路盤の棋譜

黒43までで終局になります。

どうでしょうか。

是非、手の意味を確認しながら碁盤に並べてみて下さいね。

では、最後まで読んでくださりありがとうございました。

また次回もよろしくお願いします!

※続けて次の記事も見たい方はこちら:
【秀哉の囲碁入門⑱】死活について(4)「欠け眼」とは?

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