今回は、 「一局の流れ(2)」の後編 を解説していきます。
是非、碁盤に並べて確かめて下さいね。
よろしくお願いします!
さて、終局までの流れを見ていきましょう。
図70
もうすぐ終局ですね。
黒地と白地がはっきりしてきました。
そして、
残りの境目は緑丸の二ヵ所です。
次は白の番でしたから、
図71
白26と打ってみます。
この手は陣地の境目を打ちながら、
実は狙いがあります。
どこを狙っているでしょうか?
考えてみましょう。
いきますね。
図72
白はここを狙っています。
「二線のアタリ」ですね。
白1と打つことで、黒×の三子を取ることができます。
図73
黒が2と逃げようとしてきても…
図74
白3と打って取る事ができますね。
図75
こういうことになります。
ということで、
図76
白26は、
次に×の二線のアタリを狙っているということです。
なので、
図77
黒としては27の守りが大切ですね。
そして、
図78
白28と、最後の境目を詰めて「終局」になります◎
(白28は陣地の増減に関係が無いので「駄目(ダメ)」といいます。そして、ダメを詰めることを「ダメ詰め」といいます。)
また、
図79
青矢印と赤矢印のところに、
隙間が空いているようにも見えますが、
ここはお互いに進むことはできません。
どういうことかと言うと…
図80
白1と入ることはできないのです。
(白1と白×は斜めなので、つながっていません。)
黒の立場で考えると、
白1と入ってきたとしても、この白を取る事ができるということです。
図81
例えば、黒2と打てば白を取れます◎
図82
白は3と逃げることができませんね。
図83
全方位を黒に囲まれてしまっています。
実は、
こういう「道が一切ない場所には打てない」というルールがありましたね。
(着手禁止点)
図84
白1と打っても、
黒2と打たれて、白は助かりません。
図85
×の場所に白が入っていっても取られてしまう、ということですね。
=「×の場所は黒地」ということになります。
OKでしょうか。
図86
同様に、黒1も無理な手になります。
では、
白番でこの黒を取ってみましょう。
どう打ったら良いでしょうか?
いきますね。
図87
白2が良いアタリの仕方になります◎
白○に押し付けるイメージですね。
図88
黒が3と逃げてきても、
図89
白4とアタリすれば…
図90
「シチョウ」になります◎
このようにシチョウは、
無理に入ってきた相手の石を取る時などによく使います。
図91
こういう状況になりますので、
白は入ってきた黒をやっつけて、白地を守ることができました。
ところで、
図92
黒1の侵入に対して、
白2、黒3となった場面で、
先ほどは「シチョウ」で取りましたが、
「ゲタ」で取る事もできますね。
どこに打つと「ゲタ」になるでしょうか?
いきます。
図93
白4が「ゲタ」です。
黒二子の逃げ道二つに対して先回りをしています。
このあと、
図94
もしも黒が5、7と抵抗をしてきても、
白8まで、黒を囲んで取る事ができます◎
「ゲタ」で黒を取れましたね。
ということで、
話を戻しますと
図95
白はAに入れないし、
黒もBには入れません。
ということです。もうこれ以上、相手の陣地に進んでいくことができないのですね。
なので、お互いに「打つところがないよという意思表示」として「パス」をして「終局」になります。
終局になったら、
陣地を数えましょう。
上の図を見て、黒地と白地をそれぞれ数えてみて下さい。
数えてみると、
図96
黒地は29目で、
図97
白地は24目です。
そして、白は6目半プラスされる「コミ」がありましたので、
白地は30目半になります。
なので、この対局は
白の「1目半勝ち」という結果になりました。
お疲れさまでした。
大変長くなりましたが、
今回と前回の講座をしっかり学習していただれば、
「囲碁とはこういうことをしているのか」
ということを、非常に良く分かってもらえると思います。
PDFファイルで棋譜もご用意しましたので、
是非、一手一手の意味を確認しながら碁盤に並べてみて下さい。
次回は「石の生き死に」について解説していきますね。
では、またよろしくお願いします。
どうもありがとうございました!
※続けて次の記事も見たい方はこちら:
【秀哉の囲碁入門⑫】死活について(1)入ってきた石の取り方