【秀哉の囲碁入門⑪】一局の流れ(2)後編

今回は、 「一局の流れ(2)」の後編 を解説していきます。

是非、碁盤に並べて確かめて下さいね。

よろしくお願いします!


さて、終局までの流れを見ていきましょう。

図70

もうすぐ終局ですね。
黒地と白地がはっきりしてきました。

そして、
残りの境目は緑丸の二ヵ所です。

次は白の番でしたから、

図71

白26と打ってみます。
この手は陣地の境目を打ちながら、
実は狙いがあります。

どこを狙っているでしょうか?
考えてみましょう。

いきますね。

図72

白はここを狙っています。
「二線のアタリ」ですね。

白1と打つことで、黒×の三子を取ることができます。

図73

黒が2と逃げようとしてきても…

図74

白3と打って取る事ができますね。

図75

こういうことになります。

ということで、

図76

白26は、
次に×の二線のアタリを狙っているということです。

なので、

図77

黒としては27の守りが大切ですね。

そして、

図78

白28と、最後の境目を詰めて「終局」になります◎
(白28は陣地の増減に関係が無いので「駄目(ダメ)」といいます。そして、ダメを詰めることを「ダメ詰め」といいます。)

また、

図79

青矢印と赤矢印のところに、
隙間が空いているようにも見えますが、
ここはお互いに進むことはできません。

どういうことかと言うと…

図80

白1と入ることはできないのです。
(白1と白×は斜めなので、つながっていません。)

黒の立場で考えると、
白1と入ってきたとしても、この白を取る事ができるということです。

図81

例えば、黒2と打てば白を取れます◎

図82

白は3と逃げることができませんね。

図83

全方位を黒に囲まれてしまっています。
実は、
こういう「道が一切ない場所には打てない」というルールがありましたね。
着手禁止点

図84

白1と打っても、
黒2と打たれて、白は助かりません。

図85

×の場所に白が入っていっても取られてしまう、ということですね。
=「×の場所は黒地」ということになります。

OKでしょうか。

図86

同様に、黒1も無理な手になります。

では、
白番でこの黒を取ってみましょう。

どう打ったら良いでしょうか?

いきますね。

図87

白2が良いアタリの仕方になります◎
白○に押し付けるイメージですね。

図88

黒が3と逃げてきても、

図89

白4とアタリすれば…

図90

シチョウ」になります◎

このようにシチョウは、
無理に入ってきた相手の石を取る時などによく使います。

図91

こういう状況になりますので、
白は入ってきた黒をやっつけて、白地を守ることができました。

ところで、

図92

黒1の侵入に対して、
白2、黒3となった場面で、
先ほどは「シチョウ」で取りましたが、
「ゲタ」で取る事もできますね。

どこに打つと「ゲタ」になるでしょうか?

いきます。

図93

白4が「ゲタ」です。
黒二子の逃げ道二つに対して先回りをしています。

このあと、

図94

もしも黒が5、7と抵抗をしてきても、
白8まで、黒を囲んで取る事ができます◎
「ゲタ」で黒を取れましたね。

ということで、
話を戻しますと

図95

白はAに入れないし、
黒もBには入れません。
ということです。もうこれ以上、相手の陣地に進んでいくことができないのですね。

なので、お互いに「打つところがないよという意思表示」として「パス」をして「終局」になります。

終局になったら、
陣地を数えましょう。
上の図を見て、黒地と白地をそれぞれ数えてみて下さい。

数えてみると、

図96

黒地は29目で、

図97

白地は24目です。
そして、白は6目半プラスされる「コミ」がありましたので、
白地は30目半になります。

なので、この対局は
白の「1目半勝ち」という結果になりました。

お疲れさまでした。

大変長くなりましたが、
今回と前回の講座をしっかり学習していただれば、
「囲碁とはこういうことをしているのか」
ということを、非常に良く分かってもらえると思います。

PDFファイルで棋譜もご用意しましたので、
是非、一手一手の意味を確認しながら碁盤に並べてみて下さい。

https://s-yosuke.com/9roban-kihu-3.pdf

次回は「石の生き死に」について解説していきますね。

では、またよろしくお願いします。
どうもありがとうございました!

※続けて次の記事も見たい方はこちら:
【秀哉の囲碁入門⑫】死活について(1)入ってきた石の取り方

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