【秀哉の囲碁入門⑭】「アゲハマ」と「整地」について

今回は「アゲハマ」と「整地」について学んでいきましょう。

アゲハマとは、対局中に取った石のことで、対局している間は碁笥のフタに入れておき、陣地を数える「整地」の時に、相手の陣地に埋めることができます

対局していくうえで大事なルールですので、しっかりと確認しておきましょう!

ルールをひと目で確認する場合はこちら:
囲碁のルール(PDF)

アゲハマとは?

これまで、「石の取り方」や「陣地の囲み方」を学んできましたが、その際にとても大事な要素があります。

それは、「取った石は一体どうなるのか?」ということです。

取った石=アゲハマ

アゲハマは、対局中は碁笥(ごけ)のフタに入れておく

陣地を数える「整地」の時に、アゲハマを相手の陣地に埋める

これが取った石(アゲハマ)の一連の流れです。

実際にどのようになるのかを、具体的に見ていきましょう。

取った石(アゲハマ)を碁笥のフタに入れる

たとえば、下のような図があったとします。

アゲハマ

ここで黒番で、白を取れるところがあるのですが、どこでしょうか?

探してみて下さいね。

正解は…

黒1です。

ここに打つことで、白二子を取る事ができますね。

実際の碁盤の写真で見ていきましょう。

アゲハマ

黒が中央の白二子を囲んだ状況です。

白二子を取れていますね。

このあと、黒の人が…

アゲハマ

このように手で白二子を取り、

アゲハマ

このようにフタへ運びます。

フタに入っている白二子が「アゲハマ」なのですね。

豆知識
碁石の白は「ハマグリ」でできていて、それをフタに上げるので「アゲハマ」という名前になりました。(黒石は那智黒という石でできていますが、黒石が取られた時も「アゲハマ」です。)

「アゲハマ」は陣地を数える時に相手の陣地に埋める

さて、アゲハマは一体どうなるのでしょうか。

アゲハマ

盤面をよく見ると、お互いの陣地が決まって「終局」の状況です。

白番でしたから、

白の人が「パス」をして、黒の人も「パス」をしたら、陣地を数えて結果を出すという段階に入っていきます

お互いに「打つ場所がないよ」という同意をして、陣地を数えます。その時に「アゲハマ」が活躍するのです。

アゲハマ

アゲハマを手に取り、白の陣地を埋めます。

アゲハマ

たとえばこんな感じです。(埋める場所はどこでもOK!)

アゲハマ

こういう状況になりますね。

そして、アゲハマを埋めたおかげで白の陣地が減りました

石を取ると、このように相手の陣地を減らすことができるので、とてもお得なのです。

では、陣地を数えてみましょう!

陣地を数えやすくする「整地」

整地

是非、この形を碁盤に並べて一緒にやっていきましょう。

整地

この点がお互いの陣地で、一つずつ数えていくと、

黒地…31目

白地…23目+6目半(コミ)=29目半

となって、黒の1目半勝ちになります。

正しい結果が出るので、陣地を1目ずつ数えていっても良いのですが、ちょっと大変でしたね。

ここで、「整地」というテクニックを使うと計算がしやすくなります。

どうやるのかというと…

整地

石を移動します。

こわいような気もしますが、黒地の中の石を黒地の中で移動する分には、陣地は変わらないのです

黒×を移動してみますね。

整地

こんな感じでごっそり動かしてみます。

すると…

整地

こうなります。

陣地が四角形になったので、掛け算で数字を出せます。

整地

右上の黒地は、5×6=30目

右下の黒地は、1目

ですので、合計して31目です。

先ほど数えた時と、結果は変わっていませんね。

白地もやってみます。

整地

白×を動かしてみますね。

たとえば…

整地

こんな感じです。

こうすることによって、

整地

掛け算で陣地を出すことができます。

左上の白地は、3×7-1=20目

左下の白地は、3目

ですので、合計して23目です。

白番の場合は「コミ6目半」が足されて、29目半ですね。

これも、先ほどと結果は変わっていません。

このように整地をすることで、相手に陣地を伝えやすくなります。(アゲハマを埋める関係上、お互いに相手の陣地を数えます。)

OKでしょうか。

まとめ

今回の内容をまとめますね。

取った石は「アゲハマ」として、碁笥のフタに入れておく

アゲハマは、終局して陣地を数える時に相手の陣地に埋める⇒相手の陣地が減る!

陣地を数える時に、石を動かして数えやすくする(整地

「整地」がなかなか難しいですが、慣れてくるとパズルののようで面白いですよ。

では、最後まで読んで下さりありがとうございました!

次回は「死に石」について解説しますね。

どうぞよろしくお願いします。

※続けて次の記事も見たい方はこちら:
【秀哉の囲碁入門⑮】「死に石」とは?

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